
掛軸の保存について
MAINTENANCE
世代を越えて、永く受け継いでいくために―。
一見、取り扱いの難しそうな掛軸も、ほんの少しの注意で良好な状態を保ち続けられます。大切なご遺影を末永く受け継いでくために、掛軸の保存方法についてご説明します。
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取り扱う時の留意点
手を清潔に
清潔な手で取り扱ってください。手の油などの汚れから酸化し、変色の原因になります。
「折れ」ないように
掛け外しの時に「折れ」が生じないように注意してください。一度「折れ」が生じてしまうと修理が必要になります。
適度にゆるく巻く
あまり堅く巻かず、適度にゆるやかに巻いて、紐もゆるく掛けるようにしてください。跡がついてしまいます。また、紐の下には必ずあて紙を敷くようにしましょう。
掛ける時の留意点
湿気が苦手
掛ける時も湿気の多い場所は、湿気はカビやシミの原因となりますので避けてください。
乾燥も苦手
また、急激な乾燥も絵が割れたりする恐れがあるので、冷暖房の風が強く当たる場所は避けてください。また急激な温度変化のある場所も避けてください。
日光も苦手
直射日光が当たる場所には掛けないでください。紫外線によって、絵、掛軸共に退色してしまいます。
掛けっぱなしも苦手
条件的に問題のない場所であっても、長期間掛けたままにせず、時々巻いて箱に納めてください。シミ、汚れ、日焼け、反りなどの原因になります。季節ごとにしまって休ませてあげてください。
保管する時の留意点
湿気が苦手
湿気の多い場所は、カビやシミが発生しやすくなりますので避けてください。一階の押し入れなどは避け、風通しがよく、なるべく高いところに保管してください。2階があるお家にお住まいの方は2階の棚の上などが良いです。
湿気の少ない日に収納
よく晴れて湿気の少ない日に、毛刷毛などで軽く風を送り、表面の塵や埃を落としてからしまってください。湿度の高い日にしまうと、水分を含んだまま収納することになり、カビやシミの原因になります。湿度の低い日が2日程度続いた日が最適です。
虫干しする
年に2度程度、春と秋の晴れた日に直射日光の当たらない場所に虫干ししてください。この時、箱や巻紙も一緒に虫干ししてください。時々、湿気がこもらないように外気に触れさせてあげることが大切です。