

雲
雲は、生きている人が変化し、成長し続けていくためのお墓です。
そして、成長と共に新しい故人を発見する場所です。
私たちが日々を懸命に生きる中で、優しさの陰にあった苦労や、厳しさの陰にあった愛情を知る場所です。
私たちが日々の生活に疲れた時、深呼吸をして故人と対話して心を整える場所です。
亡き人とのコミュニケーションを通じて、私たちがよりよく生きること。
それが現代の供養だと考えています。
雲は心の中で生き続ける存在のかたちです。
雲のコンセプト
「隠す」という行為は日本の美意識の中に深く根付いています。
花は水影、月は朧ろであり、神社の本殿の奥深くには御神体が鎮座し、寺院の厨子の中では秘仏がひっそりと衆生を見守っています。将軍は御簾の奥に隠れ、近代まで天皇は庶民にとって見たことのない存在でした。
「隠す」という行為は、古来から日本に息づく美意識でもあり、また端的に「想像する」ことを促すと同時に、神秘性や不可知の象徴でもありました。
雲が敢えてご遺骨を隠すのは、「心の中で生きている」を形にするためです。故人が単に記憶になってしまわないように、生きている人の変化と共に故人もまた変化することができる余地、見る人や見る時によって故人もまた変化する時間軸を取り入るためです。雲は外観がいくら古びたとしても、私たちが想像し続ける限り、故人は常に新しく在り続けるように作られています。
開けると再び溶解がはじまってしまう状態で埋葬する
「心の中で生きている」を形にするために少しの工夫を加えています。
中央の黒い樹脂の中の封孔処理されたアクリルケースの中には水分を含んだアルカリ性の土壌が入っており、その中にご遺骨を納めます。
骨は通常、酸によって溶けてしまうので、空気の侵入を可能な限り遮断します。アルカリ性土壌にし、ケースを溶着し完全密封したうえ、封孔処理(アクリルケースの微細な穴を埋める塗装)を施し、更に外側を樹脂で注型することで、骨は化石のように半永久的に保存されます。
単純に保存するだけであれば乾燥した状態で保管するだけで問題ありませんが、雲は敢えて溶解を一時停止させた状態で保存することで、見えない状態であれば半永久的に残り、見ようとして開けてしまうと再び溶解が始まってしまうという状態にしています。言い換えると、見えないけれども想像すれば存在し続けるという状態です。
一時停止という行為は、文字通り一曲の音楽のように終わりゆく流れを一時的に停止させます。雲の場合、遺骨という物体に、再び風化という時間を設定し、止まってしまった故人の時間をもういちど停止させることで、疑似的に生命が灯っているような錯覚を作り出します。これによって故人は過ぎ去った過去ではなく、現在という私たちと同じ時間を共に歩む存在になります。
実際にはもちろん開けてもすぐに溶けてしまうことはありませんが、故人のことを想像し、対話し、供養するためのきっかけ作りとしてこのような方法を用いています。

SPECIFICATION
素材、作り方、オーダーの流れ、その他仕様
雲はオーダーメイドの手作りです。納めるご遺骨(一部)をお預かりし、一点一点丁寧に仕上げます。
想いは強くても場所を取らず、現代の暮らしに違和感なく溶け込み、承継も容易で子供世代への負担も少なくて済みます。
雲ひとつでお仏壇の代わりにもお墓の代わりにもなります。宗教を選ばず、戒名が必要ないと思われる方にも最適です。ある程度のサイズや色も変更可能です。またペットのご自宅での供養にも最適です。
ご遺骨は基本的にすべてを納めることはできないので、こちらからお送りした骨壺に入れたい部分を入れてお送り頂きます。残りのご遺骨は、お墓をお持ちでない場合、散骨、期限付きの永代供養墓、集合墓などへの納骨が考えられます。
お値段には名入れ、箱の代金、送料も全て含まれています。お届けまで通常2~3か月を頂いております。
素材は土や樹脂の他に、天然木の無垢材や螺鈿などを使用します。螺鈿にはクリアコーティングをし強度を持たせ、天然木は木目の美しいものを選び研磨しワックスをかけ、木の美しい風合いを引き出します。螺鈿、木材は自然の物のため一つ一つ色合いや模様、木目は異なります。
DESIGN & PRICE